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MU-2のFatal Accident は操縦ミスが主要因? [MU-2]

最近話題というか問題となっている印象操作ではありませんが、今回のお話を理解しやすくする為に、まずはある図とその解説からイメージを作っていただきたいと思います。
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出典:
https://hutdb.hiroshima-u.ac.jp/seeds/view/709/ja
この図は失速特性改善の研究成果を示すものですが、この図をみて、皆さんはどう感じるでしょうか?

(注記)最初に投稿した時点で誤解していたので、以下に訂正前の誤解があった一節と併せて、訂正したものを追記しました。
・・・・・・・・・・・・・・訂正前・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
研究目的に対する成果に素直に着目すれば、オーッ!一目瞭然な効果は素晴らしい
と感じるのが普通の感覚だと思います。

ところがです、自分のようなひねくれ者は、えっ!失速した後は大丈夫なの?
とうがった見方をしてしまうのです。失速限界をギリギリまで抑えた結果の「副産物」として、その境界点(閾値前後)での「物理的ギャップ」が増長されてしまっているのです。
・・・・・・・・・・・・・・以下、訂正後・・・・・・・・・・・・・・・・・
自分は最初、誤解してしまったのですが、この研究は失速限界をギリギリまで抑えた結果の「副産物」として、その境界点(閾値前後)での「物理的ギャップ」を出来るだけ抑え「なだらかに」するというものです。

実機に採用した際に、失速時に突然ガクッと変化していきなり制御不能な状況に陥いってしまわないよう、いいかえると特性カーブで見たときに失速点のピークを過ぎたところに断崖絶壁が存在しないようにできたよ!っていう図なのです。
・・・・・・・・・・・・・・以上、訂正後・・・・・・・・・・・・・・・・・・
出典元の研究関係者各位にはお詫び申し上げます。失礼致しました。

ここでMU-2に話をもどして、不幸にもFatal Accident に至ったケースでは引き返すことのできない何かしらの閾値(イメージ図の「改善前の」失速限界)を越える状況に陥ったのではないかと思うのです。一方 FAAの質問状にMU-2には問題ないと回答した方々は、その生死の境目となる閾値(イメージ図の失速限界)の手前の安全領域からはみ出した事がない幸運な人達とも言えるでしょう。

この事は、何もMU-2に限った話ではありませんが、だからこそFatal Accident に至った事例での「不幸な証言」を得るために、大型機ではボイスレコーダーやFDRが搭載されるようになったわけで、これまでMU-2を安全領域からはみ出さず無事に飛ばしてこれた人達の「幸運な証言」をもって、マニュアルも含めてのシステムとしての「MU-2には問題なし」と言い切ることは、犠牲者を冒瀆することになるような気がしてなりません。

ところで、米国のMU-2パイロットには米軍パイロット出身者も多いようですが、国内でのMU-2 Fatal Accident の7件中6件は自衛隊機であって、いわば「MU-2のプロフェッショナルパイロット」による操縦中に発生したものです。米国での事故統計にはパイロット一人でのケースも含まれるのに対して、自衛隊機では基本、正副2名のパイロットが搭乗するので、それにもかかわらず米国と国内のFatal Accident の発生頻度がほとんど同じである事については、運用目的が異なるとはいえ、同じマニュアル(運用限界)を守って操縦することに変わりないことから、単に操縦技量の差に起因してFatal Accident に至る事があると結論づけるには違和感を覚えるのです。

ここまでくると、FAAのアクションによって、何がどう改善されたのかまで具体的に掘り下げてみたいとも思うのですが、正月休みは後2日なので先を急ぎます。つづく
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